2025年1月、アメリカのドナルド・トランプ大統領は CBDC(中央銀行デジタル通貨) の発行・推進を禁止する大統領令を発令しました。
これは世界の金融システムや暗号資産業界に大きなインパクトを与えるニュースであり、今後の国際競争や規制の在り方に大きな影響を及ぼすと考えられています。
目次
CBDCとは?
- 中央銀行が発行するデジタル通貨
- 法定通貨と同等の価値を持ち、国家の信用で担保される
- 各国が「次世代の決済インフラ」として研究・導入を進めている
👉 代表例:
- 中国:デジタル人民元を試験運用
- EU:デジタルユーロ構想
- 日本:日銀デジタル円の実証実験
トランプの禁止令の概要
発令された大統領令
- Executive Order 14178(2025年1月23日付)
- CBDCの「設立・発行・推進」を公的機関が行うことを禁止
- バイデン政権下で進められていたデジタル資産関連政策を破棄
禁止の理由(トランプ政権の主張)
- プライバシーの懸念:政府が国民の取引を監視できてしまう
- 金融安定性の維持:銀行システムへの悪影響を懸念
- ドルの主権を守る:国家戦略としてCBDCを採用しない方針
世界に与える影響
他国が主導権を握る可能性
アメリカが禁止したことにより、中国やEUなど CBDC開発を推進する国々が国際規格をリードする立場 になる可能性があります。
暗号資産・ステーブルコインの台頭
- 政府発行のCBDCが禁止されたことで、民間発行のステーブルコイン が決済や送金で存在感を増す見込み。
- DeFi(分散型金融)や暗号資産の利用が相対的に有利になる。
国内外で議論を呼ぶポイント
メリット
- 国民のプライバシーが守られる
- 民間イノベーション(ブロックチェーン、ステーブルコイン)が促進される
デメリット
- 国際金融インフラの主導権を失う可能性
- 銀行口座を持たない層(金融包摂)の選択肢が減る
- 国際競争で中国やEUが優位に立つ可能性
日本への示唆
- 日銀は「デジタル円」の実証実験を進めているが、米国の禁止は「プライバシーと利便性のバランス」を議論する契機になる。
- ステーブルコインや既存の暗号資産の役割が大きくなる可能性。
- 日本でも CBDCは本当に必要か? という議論が強まるだろう。
まとめ
- トランプ大統領はCBDCの発行・推進を禁止し、アメリカは「政府発行デジタル通貨を持たない」方向に舵を切った。
- 世界では中国やEUがCBDC開発を進めており、アメリカ不在の中で規格主導権が移る可能性がある。
- 今後は ステーブルコイン・暗号資産・Web3 が決済・経済の中心に近づいていくかもしれない。