投資IQアップ講座 第8回:ポートフォリオ理論とリスク管理

「卵は一つのカゴに盛るな」――投資の世界ではよく聞く言葉です。
これは単なる格言ではなく、現代ポートフォリオ理論(MPT)という学問的な裏付けがあります。
今回は、投資の最終テーマとして「分散投資とリスク管理」を学んでいきましょう。

目次

リスクとリターンの関係

  • リターン:投資による収益(利益)
  • リスク:リターンのブレ(不確実性)
  • 高リターンを狙えばリスクも高くなるのが基本原則

  • 預金:リスク小、リターン小
  • 株式:リスク大、リターン大
  • 債券:株式よりリスク小、リターン中

ポートフォリオ理論(MPT)

ハリー・マーコビッツが提唱した理論。

  • 複数の資産を組み合わせることで、全体のリスクを下げられる
  • 異なる動きをする資産を混ぜると「値動きが打ち消し合う」効果がある

  • 株式と債券を半分ずつ持つ
     → 株が下がっても債券が上がることで、全体の損失を抑えられる

相関係数の重要性

  • 資産間の動きの連動度合いを示す指標
  • 相関係数が低い(あるいはマイナス)の資産を組み合わせると、分散効果が高い

  • 株式と国債:相関が低い
  • 株式とREIT:相関が比較的高い
  • 金やコモディティは株と逆の動きをすることが多い

リスク管理の具体的手法

  1. アセットアロケーション
     株式・債券・不動産・コモディティなどの配分を決めること
  2. リバランス
     時間が経つと資産配分が崩れるので、定期的に調整する
  3. 自分のリスク許容度を知る
     年齢・収入・投資経験によって適切なリスクは異なる

投資家の視点

  • 分散投資は「利益を最大化するため」ではなく「損失をコントロールするため」
  • 長期的にはリスクを抑えた方が複利効果が活きる
  • 「欲に流されず、ルールで投資を続けること」が最大のリスク管理

まとめ

  • 投資にはリスクとリターンのトレードオフがある
  • ポートフォリオ理論は分散投資の学問的な裏付け
  • 相関の低い資産を組み合わせることでリスクを下げられる
  • アセットアロケーションとリバランスが長期投資のカギ

理解度チェック(全3問)

Q1. 投資における「リスク」とは何を意味しますか?

①必ず損をすること
②価格変動の大きさ(不確実性)
③詐欺に遭うこと

解答を見る

正解:②
リスクは「損すること」ではなく「リターンのブレ(不確実性)」を意味します。

Q2. ポートフォリオ理論の基本的な考え方は?

①株式だけを集中投資する
②複数資産を組み合わせると全体のリスクが下がる
③金利が高いときは債券は無意味

解答を見る

正解:②
ポートフォリオ理論は「分散することでリスクを低減できる」という考え方です。

Q3. 分散投資で重要な指標は?

①相関係数
②GDP成長率
③為替レート

解答を見る

正解:①
相関係数が低い資産を組み合わせることで、分散効果が最大化されます。

次回予告

この「投資IQアップ講座」シリーズは今回で一区切りとなります。
今後は応用編として、実際のニュースや金融市場の動きを題材に「投資理論をどう活かすか」を解説していく予定です。

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この記事を書いた人

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