投資初心者が最初に選びやすい商品として「投資信託」と「ETF(上場投資信託)」があります。
どちらも分散投資を実現できる便利な仕組みですが、その理論的な背景を理解しておくことで、より効果的な投資判断が可能になります。
目次
投資信託とETFの共通点
- 多数の投資家から集めた資金をまとめ、専門家(運用会社)が株式や債券などに分散投資
- 少額から投資可能で、初心者にも始めやすい
- 分散投資によるリスク低減効果が最大のメリット
インデックス投資とアクティブ投資
- インデックス投資
- 日経平均株価やS&P500など、市場全体の動きを目指す
- 低コストで、長期的に市場平均のリターンを狙える
- アクティブ投資
- ファンドマネージャーが銘柄を選別し、市場平均を上回ることを目指す
- 成功すれば高リターンもあるが、コストが高め
ETFの特徴
- 株式と同じように証券取引所で売買できる
- リアルタイムで価格が変動する
- 信託報酬(運用コスト)が低めに設定される傾向
- 例:日経225ETF、S&P500ETF
コストがリターンに与える影響
投資理論では「コストの差がリターンに直結」します。
- インデックス型ETF:信託報酬 0.1%前後
- アクティブ型投信:信託報酬 1〜2%以上
例
100万円を20年間運用した場合(年利5%)
- 信託報酬 0.1%:約265万円
- 信託報酬 2%:約180万円
👉 コスト差だけで80万円以上の差に!
投資家の視点
- 長期的な資産形成には低コストのインデックス投信・ETFが有力
- アクティブ投資は「テーマ投資」「成長期待株」などに活用可能
- 重要なのは「商品選び」よりも「投資を継続する仕組み」
まとめ
- 投資信託とETFは分散投資を簡単に実現できる仕組み
- インデックス型は低コストで長期運用に向く
- コスト差が複利で大きな差を生むことを理解することが重要
理解度チェック(全3問)
Q1. インデックス投資の特徴はどれでしょうか?
①市場平均の動きを目指す
②ファンドマネージャーが独自に銘柄を選ぶ
③短期的な値動きで利益を狙う
解答を見る
正解:①
インデックス投資は市場平均に連動する運用を目指します。
Q2. ETFと通常の投資信託の大きな違いは?
①ETFは証券取引所でリアルタイム売買できる
②ETFは海外では買えない
③ETFは分散投資ができない
解答を見る
正解:①
ETFは株式と同様に取引所でリアルタイムに売買できます。
Q3. 投資信託における「コスト」の代表例は?
①為替手数料
②株主優待
③信託報酬
解答を見る
正解:③
投資信託では運用にかかる「信託報酬」が代表的なコストです。
次回予告
次回のテーマは 「第6回 不動産投資と収益還元法」 です。
インフレ耐性を持つ投資として注目される不動産を、収益還元モデルから理論的に学びます。