投資IQアップ講座 第6回:不動産投資と収益還元法

「不動産投資はインフレに強い」とよく言われます。
しかし、なぜ強いのか? どのように価値を評価するのか?を理解していないと、感覚的な投資に陥ってしまいます。
今回は、不動産の価値を理論的に測る「収益還元法」に注目します。

目次

不動産投資の基本

  • 不動産=収益を生む資産(家賃収入・地代など)
  • 投資家にとって重要なのは「いくらの収益が得られるか」
  • 価格の評価方法は「収益力」を基準にするのが理論的

収益還元法とは?

  • 定義:不動産が将来生み出す収益を、適切な利回りで割り引いて現在価値を求める方法
  • 式:不動産価値 = 純収益(NOI) ÷ 還元利回り

  • 年間純収益(NOI):500万円
  • 還元利回り:5%
    → 不動産価値 = 500 ÷ 0.05 = 1億円

NOI(Net Operating Income:純収益)の考え方

  • 総収入(家賃収入など)
  • 運営費用(管理費、修繕費、税金など)
    → 差し引いた金額がNOI(純収益)

NOIは企業でいう「営業利益」に近い概念。投資判断の基礎となります。

還元利回り(Cap Rate)

  • 不動産価値評価に使う割引率
  • 市場の期待利回りや金利水準で変動
  • 金利上昇時には還元利回りも上昇し、不動産価値は下落する傾向

実例:収益還元法の使い方

  • 物件A:年間純収益 300万円、還元利回り 6%
     → 価値 = 300 ÷ 0.06 = 5,000万円
  • 物件B:年間純収益 300万円、還元利回り 3%
     → 価値 = 300 ÷ 0.03 = 1億円

👉 同じ収益でも、利回り(リスク・市場評価)次第で価値が大きく変わる

投資家の視点

  • 不動産はインフレ局面で価値が維持・上昇しやすい
  • ただし、金利上昇により還元利回りが上がると、価格は下がる可能性もある
  • 投資判断では「収益性 × 金利動向 × 市場リスク」をセットで考えることが重要

まとめ

  • 不動産投資は「収益還元法」で価値を理論的に評価できる
  • 収益力(NOI)と還元利回り(Cap Rate)が価格を決める
  • インフレには比較的強いが、金利動向には注意が必要

理解度チェック(全3問)

Q1. 不動産価値を理論的に評価する方法として代表的なのは?

①過去の取引事例を参考にする方法
②収益還元法
③建築費の合計で算出する方法

解答を見る

正解:②
収益還元法は、不動産が生み出す収益を基準に価値を求める方法です。

Q2. NOI(純収益)とは何を指しますか?

①家賃収入の総額
②家賃収入から運営費用を差し引いた収益
③売却益

解答を見る

正解:②
NOIは「総収入 − 運営費用」で求める純収益です。

Q3. 金利が上昇すると、不動産価格はどうなりやすい?

①還元利回りが下がって価格が上がる
②還元利回りが上がって価格が下がる
③金利と不動産価格は無関係

解答を見る

正解:②
金利が上昇すると還元利回りが高まり、現在価値としての不動産価格は下がりやすくなります。

次回予告

次回のテーマは 「第7回 暗号資産と通貨の未来」 です。
ビットコインやステーブルコインの仕組みを通じて、通貨と金融の新しい可能性を考えます。

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この記事を書いた人

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