ニュースで「物価が上がった」「円の価値が下がった」と耳にしても、それが投資や生活にどう関わるのかを正しく理解している人は意外と少ないものです。
インフレは資産形成や投資を考える上で避けて通れないテーマ。まずはその仕組みを学ぶことで、投資IQを高めていきましょう。
目次
インフレとは何か?
- 定義:物価が持続的に上昇すること
- 本質:同じ金額で買えるモノやサービスが減る=お金の購買力が下がる現象
身近な例
- 昨年300円だったコーヒーが今年は350円に
- 100万円で買えた商品が、翌年には同じ金額では買えなくなる
インフレと実質金利
投資家にとって重要なのが「名目金利」と「実質金利」の違いです。
- 名目金利:預金や債券に表示されているそのままの利率
- 実質金利:名目金利 − インフレ率
例
- 預金金利:2%
- インフレ率:3%
→ 実質金利 = -1%(実際にはお金の価値が減っている)
歴史に学ぶインフレ
- 戦後日本のハイパーインフレ:預金の価値が急速に減少
- アルゼンチンやトルコの高インフレ:通貨価値が下がり、資産が守れない事例
- 現代の日本:長期デフレから転じ、最近は円安・物価高でインフレ傾向
投資家にとってのインフレ対策
- 現金だけで資産を持たない
→ 購買力が下がるため、インフレに強い投資先を組み込む必要がある - 代表的なインフレ耐性資産
- 株式(企業収益が物価に連動することがある)
- 不動産(実物資産として価値が上がりやすい)
- コモディティ(金やエネルギー資源)
まとめ
- インフレ=「お金の価値が下がる現象」
- 実質金利の理解は投資IQを高める第一歩
- インフレ局面では「現金以外の資産」を持つことが重要
理解度チェック(全3問)
Q1. インフレとは何を意味しますか?
①物価が下がり続けること
②物価が持続的に上昇すること
③お金の価値が上がること
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正解:②
インフレは「物価が持続的に上昇する=お金の購買力が下がる」現象です。
Q2. 名目金利2%、インフレ率3%のとき、実質金利は?
①+1%
②-1%
③±0%
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正解:②の-1%
実質金利 = 名目金利(2%) − インフレ率(3%) = -1%。 見かけ上は利息がついても、実際には資産価値は減っています。
Q3. インフレ対策として比較的強い資産はどれでしょうか?
①現金預金
②株式や不動産
③定期預金のみ
解答を見る
正解:②
株式や不動産 インフレ時には現金の購買力が下がるため、実物資産や企業収益に結びつく資産が有利とされます。
次回予告
次回のテーマは 「第2回 金利と資本コストの関係」 です。
「なぜ金利が上がると株価が下がるのか?」という投資の基本を、理論からわかりやすく解説します。