暗号資産の中でも、ビットコインやイーサリアムと並んで高い知名度を誇るのが リップル(XRP) です。
XRPは単なる投資対象としてだけでなく、国際送金や金融インフラの分野で実用化を目指してきたプロジェクトであり、他の暗号資産とは一線を画しています。
本記事では、リップルの誕生から現在までの歴史を振り返り、その特徴と今後の可能性を探ります。
目次
リップルの誕生
構想の始まり(2004年~)
- ビットコイン登場以前の2004年、カナダ人開発者ライアン・フッガーが「Ripplepay」という決済システムを構想。
- 当初はP2Pベースで即時送金を目指すも、普及は限定的でした。
Ripple社の設立(2012年)
- 2012年、ジェド・マケーレブやクリス・ラーセンらによって Ripple Labs(現Ripple社) が設立。
- 「国際送金の高速化と低コスト化」を目的に、XRP台帳(XRP Ledger)が開発されました。
XRPの位置づけ
- ビットコインやイーサリアムと異なり、マイニングは不要。
- 1000億枚のXRPがあらかじめ発行され、その多くをRipple社が保有する仕組み。
- これにより「中央集権的」と批判される一方で、安定性とスピードを重視した設計となっています。
拡大と普及(2014~2017年)
金融機関との提携
- Ripple社は銀行や金融機関と積極的に提携。
- 2016年にはSBIホールディングスと合弁会社「SBI Ripple Asia」を設立し、日本やアジアでの展開を強化。
- 実際に一部の銀行でXRPを活用した実証実験が行われ、国際送金インフラとして注目されました。
2017年の暗号資産ブーム
- ビットコインとともにXRPも急騰。
- 一時は時価総額でビットコインに次ぐ 第2位 に浮上しました。
- 「送金に強い実用型コイン」として投資家からの関心も集まりました。
試練と課題(2018~2020年)
市場の調整
- 2018年の暗号資産バブル崩壊により、XRPも大幅に下落。
- 投資対象としては価格変動に苦しみましたが、Ripple社は実用化に向けた開発を継続。
SEC訴訟問題(2020年)
- 2020年12月、米国証券取引委員会(SEC)がRipple社を提訴。
- 「XRPは未登録証券にあたる」との主張がなされ、市場に大きな衝撃を与えました。
- この訴訟は長期化し、XRPの価格や取引所での扱いに影響を与え続けました。
再評価と展望(2021年~現在)
裁判の進展
- 2023年7月、米裁判所は「XRPの一部取引は証券に該当しない」と判断。
- 完全解決ではないものの、Ripple社にとって大きな前進となり、XRP価格も急騰しました。
国際送金での利用可能性
- RippleNetを通じて、すでに多くの銀行や決済事業者がRippleの技術を試験・採用。
- 特に「即時送金・低コスト送金」という強みは、既存のSWIFTに代わる次世代インフラとして期待されています。
日本での注目度
- SBIグループとの連携が強固で、日本国内での知名度や利用可能性は高い水準を維持。
- 個人投資家からの人気も根強く、日本市場はXRPの重要な拠点の一つとなっています。
まとめ
- リップル(XRP)は2004年の構想に始まり、2012年にRipple社が設立されて本格的に始動。
- 金融機関との連携を武器に、国際送金の高速化と低コスト化を目指してきました。
- SEC訴訟という試練を経ながらも、現在も世界中で利用が進み、送金分野における強みは健在です。
- 投資対象としてだけでなく、国際金融インフラの一部となる可能性を秘めた暗号資産といえるでしょう。